2005年9月25日

【のまネコ】じゃあ例外的に制限されないのか

更新があるたび随時転載予定ですがたまっちゃってる分を二連発で。

****ここから(9月23日掲載)

一昨日,自由社会である以上,エイベックスが何を作って何を売ろうが原則として自由である,ということを書きました。

では,これが例外的に制限される根拠がないかという問題提起への反応(でしょうか?)として,マイミクのおーり氏から,「著作権者不明等の場合における著作物の利用に関する裁定の申請」をしなくてよいのかというレスをいただきました。

なんか長い名前ですなあ。
「著作権者不明等の場合における著作物の利用に関する裁定の申請」(著作権法67条)とは,

どっかに確実に著作者が存在するはず!
 ↓
その人から許諾を受けたい!
 ↓
でもその人がどこにいるか分からず,許諾を受けられない
 ↓
とはいっても,後々に「どっかに確実にいるはずの著作者」から著作権侵害やといちゃもんつけられたら嫌やなあ・・・・

というときに,文化庁長官の裁定を受けて,相当な補償金を供託するというものです。つまり,「どっかに確実にいるはずの著作者」がいつでも補償金を取れるように預けておくということです。

つまるところ,まじめな人が将来に予想されるリスク回避の手段として,用いるものです。
「どっかに確実にいるはずの著作権者」の存在が認められるとき,この制度を用いるメリットがあるというわけです。

これをしなかったからといって,罰則があるわけではありません。
ただ,後々に「どっかに確実にいるはずの著作権者」から著作権侵害で訴えられる(損害賠償請求される)リスクを負います。著作権侵害が認められたら,さらに刑事責任(罰金や懲役)を科せられるリスクも負います。

よって,本制度は,あくまで著作権侵害をするかもしれない人が,リスク回避の手段として用いる制度に過ぎません。原則自由であるエイベックスの行為を例外的に制限する手段にはなりえません。
この制度の存在を掲げて,エイベックスはこの制度を利用していない→よってエイベックスの行為はけしからんとは論理的につながらないわけです。あくまでエイベックスが,てめえのリスク回避をしなかっただけですから。
(エイベックス擁護しているわけじゃないので,誤解しないでね)

なお,エイベックスは,まさかこんなもん使ってないでしょう。
その理由は,
1 「どっかに確実にいるはずの著作権者」なんて存在しないと思っている。
2 「どっかに確実にいるはずの著作権者」がいたとしても,その人の著作物(アスキーアート)と,自社ののまネコは,類似性がなく,著作権侵害に該当しないと思っている。
といったところでしょう。

今日はこのへんで。

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