2005年8月 7日

the soul of samurai

コンビニで電車内の暇つぶしに購入した本のレビューでも書いてみる。
(とはいえまだ途中)

新渡戸稲造「武士道」の日本語訳。
宗教教育なしに、日本じゃどうやって道徳教育をしているんだ?という、
周囲の欧米人の疑問に答えるために書かれた本。なので、原著は英語。

どうやら彼の主張は、武士道が宗教の代わりをした、ということらしい(暫定)。
武士道の構成要素を仁義礼智・・・と分けて説明し(八犬伝か?)、
その互いのかかわりを説いている。
ただし、あくまでも武士道は理想化されているので、「ホントにそんな奴いたのか?」と、嘘ばかり聞かされているような居心地の悪さも感じる。
面白いのが、西洋の哲学やキリスト教との比較がでてくるところ。
「こんなに違うんだ」ではなく、「聖書でもこういう言葉あるでしょ。」
という主張が多い。
私自身武士というと「エキゾチックジャパン」の象徴のように思っていて、根本は西洋の思想と一緒のところも数多くある、という考え方は目から鱗だった。

他国と交流し共存するために、我々はその習慣や伝統、メンタリティーを、そしてそれらが形成された土壌を学ぼうとする。
だが、自分たち日本人について、我々は他国のそれ以上に語れるだろうか。
日本の知名度が低く、「日本てどんな国ですか?」そう聞かれたら、なんと答えればよいのだろうか。まさか「スシ、ゲイシャ、フジサン」ではあるまい。
有名な「ハラキリ」の意義と作法だって、定かには知らなかった。
なぜ楽しくもないのに笑顔を作るようになったのか、その根本の思想もあいまいにしかわからない。
今更武士道そのものが復活することはないだろうが、日ごろなんとなく受け入れている言葉、習慣、それらの根源をこの本はある程度解説してくれそうだ。
まあ・・・外国人向けに書かれた本を逆輸入して読まねばならないあたりが
ちょっと情けなくはある。

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コメント

新渡戸稲造さんは英語で書けるんだ。すげー。
仁義礼智信忠悌考はたしか儒教だったはず。

どんな宗教でも共通して書いてあることは
「奪うな犯すな殺めるな」であってその精神の由来や
考えの発現がいろいろなだけだというのも見た事があります。

訂正。副題はsoul of Japan でした。
一応今日読み終わった。
最後は失われ行くものへの哀歌になってた・・・

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